トランプ関税25%の衝撃――同盟国・韓国も標的に

2025年1月26日、トランプ米大統領は韓国が米韓貿易協定を立法化していないとして、韓国製品への関税を15%から25%へ急遽引き上げると発表した。自動車や木材、医薬品など幅広い品目が対象となり、米国の保護主義政策が同盟国にも容赦なく向けられる事態となった。

この措置は、トランプ政権の「アメリカ・ファースト」政策が単なるスローガンではなく、実際の通商政策として徹底されていることを示している。中国やメキシコだけでなく、安全保障上の重要なパートナーである韓国さえも例外とされない姿勢は、国際社会に大きな波紋を広げている。経済的利益と安全保障上の同盟関係が必ずしも一致しないという現実が浮き彫りになった。

韓国経済にとって、この関税引き上げは深刻な打撃となる可能性が高い。特に自動車産業は米国市場への依存度が高く、現代自動車やキア自動車などの主要企業は大きな影響を受けるだろう。サプライチェーンの再編や生産拠点の移転を迫られる企業も出てくるはずだ。

日本にとっても、この動きは決して対岸の火事ではない。日米貿易交渉においても、トランプ政権は自動車関税の引き上げをちらつかせながら圧力をかけてきた経緯がある。韓国への対応は、今後の日本への通商政策を占う重要な先例となる可能性が高い。

この事態から学ぶべきは、国際貿易ルールの脆弱性である。WTO体制が弱体化する中、二国間交渉における力の論理が前面に出てきている。中小国や同盟国であっても、大国の経済的圧力から逃れることは容易ではない。各国は通商戦略の多角化と、特定市場への過度な依存からの脱却を真剣に検討すべき時期に来ている。

また、貿易協定の「立法化」という手続き的な問題が、このような深刻な事態を招いたことも注目に値する。国際合意を国内法に落とし込むプロセスの重要性と、その遅延がもたらすリスクを改めて認識する必要がある。形式的な手続きであっても、それが外交的・経済的危機の引き金になりうるのだ。

保護主義の波は今後も続くと予想される。企業も政府も、自由貿易体制が永続的に保証されるものではないという前提で、リスク管理と戦略立案を行う必要がある。グローバル化の恩恵を享受しながらも、その脆弱性を理解し、備えることが求められる時代になったと言えるだろう。