2025年、中国国家統計局は衝撃的なデータを発表した。新生児数792万人に対し死亡者数1131万人、総人口は339万人減少し、出生率は0.97と日本を下回る水準に落ち込んだ。さらに若年失業率は46%に達し、世界第2位の経済大国に深刻な社会不安の影が差している。
この数字が示すのは、長年続いた一人っ子政策の「ツケ」である。1979年から2015年まで続いた人口抑制策は、予想をはるかに超える少子高齢化を招いた。政策転換後も出生率は回復せず、むしろ経済成長の鈍化と相まって若者の結婚・出産意欲は冷え込む一方だ。
若年失業率46%という数字は、単なる統計以上の意味を持つ。大学を卒業しても仕事がない、将来に希望が持てない若者たちは、結婚や子育てを諦めざるを得ない。この悪循環が出生率のさらなる低下を招き、経済成長の基盤である労働人口を急速に蝕んでいる。
中国の状況は、日本にとって他人事ではない。出生率1.20の日本も深刻だが、中国は0.97とさらに低い水準にある。両国に共通するのは、経済成長の鈍化と若者の雇用不安、そして将来への不安が出生率を押し下げている構図だ。
経済面では、労働人口の減少が生産性低下と消費市場の縮小を招く。中国は「豊かになる前に老いる」リスクに直面しており、社会保障制度の未整備も相まって、高齢者の貧困問題が深刻化する恐れがある。日本が経験してきた課題を、中国はより急速かつ大規模に迎えようとしている。
この危機から学ぶべきは、人口政策の失敗がいかに長期的な影響を及ぼすかという教訓だ。一度崩れた人口構造を立て直すには何世代もの時間を要する。日本も中国も、若者が希望を持てる雇用環境と、子育てしやすい社会制度の構築が急務である。
中国の人口減少は、グローバル経済にも波及する。世界の工場であり巨大消費市場でもある中国の縮小は、サプライチェーンや貿易構造に大きな変化をもたらすだろう。この歴史的転換点を理解し、日本自身の少子化対策を見直す契機とすべきである。