フランスが15歳未満SNS禁止法案を検討—子どもの心を守る規制強化の波

フランス政府が15歳未満の子どもによるSNS利用を禁止する法案の提出を検討していることが明らかになった。子どもの精神的健康への悪影響を懸念した措置で、オーストラリアに続く若年層のSNS規制強化の動きとして国際的に注目を集めている。

SNSは現代社会において不可欠なコミュニケーションツールとなったが、若年層への影響については深刻な懸念が広がっている。いじめ、自己肯定感の低下、睡眠障害、依存症など、子どもの心身の発達に与える負の影響が数多くの研究で指摘されている。フランスの動きは、こうした科学的知見を踏まえた予防的措置と言えるだろう。

注目すべきは、この規制が単なる道徳的判断ではなく、公衆衛生の観点から検討されている点だ。WHOや各国の研究機関は、過度なSNS使用が子どもの脳の発達に影響を与える可能性を指摘している。特に思春期前の子どもは、自己認識や社会性を形成する重要な時期にあり、SNSの影響を受けやすいとされる。

一方で、年齢制限の実効性については疑問の声もある。技術的な抜け道や保護者の同意による例外措置など、実際の運用には課題が残る。しかし法整備そのものが、社会全体で子どもを守るという明確なメッセージとなり、保護者や教育者の意識改革につながる効果も期待できる。

日本でも子どものスマートフォン依存やSNSトラブルは深刻な社会問題となっている。文部科学省の調査では、ネット依存傾向のある中高生は推定93万人に上るとされる。フランスやオーストラリアの取り組みは、日本が今後どのような対策を講じるべきか考える上で重要な参考事例となるだろう。

企業の社会的責任も問われている。SNSプラットフォーム企業は、利用者数や利用時間の拡大を追求するビジネスモデルを採用してきた。しかし子どもの健全な発達を守るためには、利益追求と社会的責任のバランスを見直す時期に来ている。

デジタル時代における子どもの保護は、世界共通の課題だ。フランスの法案検討は、テクノロジーと人間の幸福をどう調和させるかという根源的な問いを私たちに投げかけている。各国の取り組みから学びながら、子どもたちが健やかに成長できる社会環境を整備していくことが求められている。

📚 おすすめの本

書籍数: 4