安保関連3文書改定へ―変化する安全保障環境に日本はどう備えるか

政府は2026年春にも、外交・安全保障・サイバーセキュリティーの専門家で構成される有識者会議を設置し、「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定に向けた調整を進めることが明らかになりました。これは、急速に変化する国際情勢に対応するための重要な動きです。

安保関連3文書とは、「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」を指します。前回2022年12月に改定されたばかりですが、わずか数年で再改定の検討が始まる背景には、台湾情勢の緊迫化、北朝鮮のミサイル開発加速、サイバー攻撃の高度化など、安全保障環境の急激な変化があります。国家の安全保障政策は、こうした変化に機敏に対応する必要があるのです。

特に注目すべきは、サイバーセキュリティーの専門家が有識者会議に加わる点です。現代の戦争は従来の軍事力だけでなく、サイバー空間での攻防が国家の命運を左右します。重要インフラへのサイバー攻撃や情報戦は、物理的な被害をもたらさずとも国家機能を麻痺させる力を持っています。

また、外交と安全保障の一体的な運用も重要なテーマです。軍事力の強化だけでは真の安全は得られず、同盟国との協力強化、地域の信頼醸成、経済安全保障の確保など、多層的なアプローチが求められています。有識者会議では、こうした包括的な安全保障戦略が議論されるでしょう。

国民にとって安全保障は遠い話題に感じられがちですが、実は私たちの日常生活に直結しています。エネルギー安全保障が揺らげば電気料金が高騰し、海上交通路が脅かされれば食料価格に影響します。サイバー攻撃は病院や金融機関のシステムを止め、市民生活を混乱させます。

今回の3文書改定プロセスは、国民が安全保障について考える好機でもあります。専門家任せにせず、どのような脅威があり、どう対処すべきか、防衛費をどう使うべきかなど、国民的議論を深めることが民主主義国家には不可欠です。有識者会議の議論を注視し、パブリックコメントなどを通じて意見を表明することも重要でしょう。

変化する世界の中で日本の平和と安全をどう守るか―この問いに向き合うことは、すべての国民の責務です。安保関連3文書の改定プロセスを通じて、私たち一人ひとりが安全保障リテラシーを高め、未来を見据えた議論に参加していくことが求められています。

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