ポータブル電源の発火事故多発、業界初の統一安全基準策定へ
📅 2026年1月5日(月) 9時01分
✏️ 編集部
🏷️ ポータブル電源の発火事故と安全基準策定
災害時やアウトドアで需要が高まるポータブル電源について、リチウムイオン電池の発火事故が相次いでいることから、メーカーで作る業界団体が初めて統一の安全基準を策定することが明らかになった。この動きは、急速に普及する製品の安全性確保という、現代社会が直面する重要な課題を浮き彫りにしている。
ポータブル電源は、ここ数年で防災用品として一般家庭への普及が加速している。東日本大震災以降、大規模停電への備えとして需要が高まり、さらにキャンプブームや在宅勤務の増加も市場拡大を後押しした。しかし、製品の急速な普及に安全基準の整備が追いついていなかったのが実情である。
リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持つ一方で、過充電や物理的損傷により発火・爆発のリスクを抱えている。特に安価な海外製品の中には、十分な安全設計がなされていないものも少なくない。消費者が価格だけで製品を選ぶことの危険性が、今回の事故多発により明確になった。
業界団体による統一安全基準の策定は、消費者保護の観点から非常に重要な一歩である。基準には、バッテリー管理システム(BMS)の搭載、過充電・過放電保護、温度管理機能などが盛り込まれる見込みだ。これにより、市場から危険な製品を排除し、安全な製品選択の指標が消費者に提供されることになる。
しかし、基準策定だけでは不十分で、消費者側の意識向上も不可欠である。ポータブル電源を購入する際は、PSEマークの有無や認証取得状況を確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶべきだ。また、使用時には高温環境を避け、異常な発熱や膨張が見られたら直ちに使用を中止する必要がある。
この問題は、技術革新と安全規制のバランスという普遍的なテーマを提起している。新しい技術や製品が急速に普及する現代において、事故が起きてから対応するのではなく、予防的に安全基準を整備する仕組みが求められる。ポータブル電源の事例は、他の新興製品分野にとっても重要な教訓となるだろう。
私たち消費者は、便利さと安全性の両立を常に意識する必要がある。災害時に命を守るはずのポータブル電源が、逆に危険の源となっては本末転倒だ。今回の統一安全基準策定を機に、製品の安全性に対する関心を高め、賢い消費者として適切な選択をしていくことが重要である。