政府は2026年度予算案として一般会計総額122兆3092億円という過去最大規模を閣議決定した。与党は年度内成立を目指すが、立憲民主党は「規模ありき」と批判し修正を求めており、国会審議の行方が注目される。
予算規模の拡大は社会保障費、防衛関係費、国債費の三つの要因が重なった結果である。高齢化による医療・年金費用の増加は構造的な問題であり、今後も増え続けることが確実視されている。防衛費については国際情勢の緊迫化を背景に、GDP比2%達成を目指す政府方針が反映されている。
最も懸念されるのは国債費の膨張である。過去の借金返済と利払いに充てられる費用が増大し、新たな政策に使える予算の余地が狭まっている。この悪循環は将来世代へのツケ回しとも言え、財政の持続可能性が問われている。
野党の「規模ありき」批判は、予算の量的拡大よりも質的改善を求める声である。限られた財源をどう配分するか、優先順位の明確化と無駄の削減が求められている。単に予算を増やせば問題が解決するという発想からの転換が必要だろう。
一方で、経済成長なくして財政再建なしという指摘も重要である。緊縮財政で経済が停滞すれば税収も減り、かえって財政悪化を招く可能性がある。成長投資と財政規律のバランスをどう取るかが、政策担当者の腕の見せ所となる。
この予算案は、日本社会が直面する構造的課題を映し出す鏡である。少子高齢化、安全保障環境の変化、財政赤字という三重苦の中で、持続可能な社会をどう設計するか。政治の決断力と国民の理解が試されている。
私たち国民も、予算の使われ方に関心を持つことが重要である。単なる規模の大小ではなく、その中身が自分たちの暮らしや未来にどう影響するのかを考える。民主主義社会では、財政は政治参加の入り口でもあるのだ。