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2038(ねん)核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)(ゆめ)現実(げんじつ)に―原型炉(げんけいろ)計画(けいかく)始動(しどう)

(くに)研究機関(けんきゅうきかん)が2038(ねん)核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)実証試験(じっしょうしけん)(おこな)う「原型炉(げんけいろ)」を完成(かんせい)させる計画案(けいかくあん)発表(はっぴょう)した。次世代(じせだい)のクリーンエネルギー(げん)として期待(きたい)される核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)実用化(じつようか)()けた具体的(ぐたいてき)なロードマップが、ついに(しめ)されたのである。

核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)は、太陽(たいよう)(ひかり)(はな)つのと(おな)原理(げんり)でエネルギーを()()技術(ぎじゅつ)だ。従来(じゅうらい)原子力(げんしりょく)発電(はつでん)(核分裂(かくぶんれつ))とは(こと)なり、(こう)レベル放射性(ほうしゃせい)廃棄物(はいきぶつ)をほとんど()さず、燃料(ねんりょう)となる重水素(じゅうすいそ)海水(かいすい)から半永久的(はんえいきゅうてき)()られる。まさに人類(じんるい)長年(ながねん)()(もと)めてきた「究極(きゅうきょく)のエネルギー」と()える。

2038(ねん)という目標年(もくひょうねん)は、(いま)から12年後(ねんご)(せま)っている。これまで「50年後(ねんご)技術(ぎじゅつ)」と()われ(つづ)けてきた核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)だが、近年(きんねん)国際(こくさい)共同(きょうどう)プロジェクトITER{|イーター}の進展(しんてん)や、民間(みんかん)企業(きぎょう)参入(さんにゅう)により、実用化(じつようか)への道筋(みちすじ)()えてきた。日本(にほん)技術力(ぎじゅつりょく)がこの分野(ぶんや)世界(せかい)をリードする可能性(かのうせい)(たか)い。

原型炉(げんけいろ)は、実験炉(じっけんろ)商用炉(しょうようろ)中間(ちゅうかん)位置(いち)する重要(じゅうよう)段階(だんかい)である。ここで発電(はつでん)実証(じっしょう)成功(せいこう)すれば、2050年代(ねんだい)には商用(しょうよう)核融合(かくゆうごう)発電所(はつでんしょ)稼働(かどう)する可能性(かのうせい)がある。カーボンニュートラルの実現(じつげん)(もと)められる(なか)、この技術(ぎじゅつ)気候変動(きこうへんどう)対策(たいさく)()(ふだ)となりうる。

しかし課題(かだい)(おお)い。核融合(かくゆうごう)反応(はんのう)()こすには1億度(おくど)以上(いじょう)超高温(ちょうこうおん)プラズマを安定的(あんていてき)制御(せいぎょ)する必要(ひつよう)があり、その技術的(ぎじゅつてき)ハードルは(きわ)めて(たか)い。また、原型炉(げんけいろ)建設(けんせつ)には数兆円(すうちょうえん)規模(きぼ)投資(とうし)必要(ひつよう)とされ、国民(こくみん)理解(りかい)継続的(けいぞくてき)支援(しえん)不可欠(ふかけつ)だ。

それでも、この挑戦(ちょうせん)には(おお)きな意義(いぎ)がある。エネルギー安全保障(あんぜんほしょう)観点(かんてん)からも、資源(しげん)(とぼ)しい日本(にほん)自前(じまえ)のエネルギー(げん)()つことは重要(じゅうよう)だ。核融合(かくゆうごう)発電(はつでん)実現(じつげん)すれば、エネルギー輸入(ゆにゅう)(たよ)現状(げんじょう)から脱却(だっきゃく)し、(しん)意味(いみ)でのエネルギー自給(じきゅう)可能(かのう)になる。

2038(ねん)原型炉(げんけいろ)完成(かんせい)は、あくまで通過点(つうかてん)()ぎない。その(さき)には、人類(じんるい)のエネルギー問題(もんだい)根本(こんぽん)から解決(かいけつ)する可能性(かのうせい)(ひろ)がっている。(わたし)たちは(いま)、エネルギー()転換点(てんかんてん)()()っているのかもしれない。この壮大(そうだい)なプロジェクトの行方(ゆくえ)を、しっかりと見守(みまも)っていきたい。

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