ホルムズ海峡危機で問われる日本のエネルギー戦略
📅 2026年3月10日(火) 8時02分
✏️ 編集部
🏷️ ホルムズ海峡封鎖と原発再稼働
2026年1月、イラン情勢の緊迫化を受け、ホルムズ海峡封鎖の可能性が現実味を帯びている。日本の原油輸入の約9割が通過するこの要衝が封鎖されれば、エネルギー供給に深刻な打撃を受けることは避けられない。
ホルムズ海峡は世界の原油海上輸送の約3分の1が通過する戦略的要地である。日本にとっては中東からの原油・LNG輸入の生命線であり、この海峡が数週間封鎖されるだけで、国内の石油備蓄は急速に減少する。電力供給や産業活動への影響は計り知れず、経済安全保障上の最大のリスクと言える。
このような危機を前に、原発再稼働を求める声が政財界で高まっている。現在、日本の原発稼働率は震災前の3割程度に留まり、火力発電への依存度が高い。エネルギー自給率がわずか12%という現実を考えれば、原発は貴重な準国産エネルギー源として位置づけられる。
しかし、原発再稼働には依然として強い反対意見がある。福島第一原発事故の記憶は消えず、安全性への懸念、使用済核燃料の処分問題、避難計画の実効性など、解決すべき課題は山積している。国民の信頼回復なくして、原発政策の前進はあり得ない。
一方で、再生可能エネルギーの拡大も急務である。太陽光や風力は天候に左右されるという課題はあるものの、技術革新により蓄電池のコストは下がり続けている。地政学リスクに左右されないエネルギー源として、再エネへの投資を加速させる必要がある。
重要なのは、エネルギー政策を単一の選択肢に頼らず、多様化することだ。原発、再エネ、火力、さらには水素やアンモニアなど新技術も含め、バランスの取れたエネルギーミックスを構築すべきである。特定の地域や燃料に過度に依存する構造こそが、最大のリスクなのである。
ホルムズ海峡危機は、日本のエネルギー政策の脆弱性を浮き彫りにした。この危機を契機に、国民的な議論を深め、長期的視点に立ったエネルギー戦略を再構築する必要がある。安全保障と環境、経済性と持続可能性のバランスをどう取るか、今こそ真剣に考えるときである。