トランプ政権のグリーンランド獲得宣言が示す新しい時代の地政学
📅 2026年1月7日(水) 10時01分
✏️ 編集部
🏷️ トランプ政権のグリーンランド獲得宣言
トランプ大統領がデンマーク自治領グリーンランドの獲得に意欲を示し、ホワイトハウス報道官が軍事力行使も辞さないと発言したことで、国際社会に衝撃が走っている。これに対し欧州7カ国がデンマーク支持を表明し、大西洋を挟んだ同盟国間に深刻な亀裂が生じている。
グリーンランドは単なる氷に覆われた島ではなく、北極圏における戦略的要衝である。温暖化による北極海航路の開通や、豊富なレアアース資源の存在が、この地域を21世紀の地政学的焦点に変えつつある。米国、ロシア、中国が北極圏での影響力拡大を競う中、グリーンランドの重要性は増す一方だ。
今回の発言は、第二次世界大戦後の国際秩序への根本的な挑戦とも受け取れる。領土の武力による変更を否定する国連憲章の原則に反するこの姿勢は、ウクライナ情勢とも重なり、欧州諸国の強い警戒を招いている。同盟国への信頼が揺らぐ事態は、NATO体制そのものの再考を迫るものだ。
一方で、この騒動はグリーンランド自身の独立機運を高める可能性もある。人口6万人弱の自治領が、世界最大の島という地理的資産を背景に、デンマークからの完全独立を模索する契機となるかもしれない。資源外交を通じた小国の自立は、現代国際関係の重要なテーマである。
資源ナショナリズムの観点からも、この問題は示唆に富む。レアアースや鉱物資源を巡る争奪戦は、今後さらに激化することが予想される。日本もまた資源小国として、こうした国際的な資源競争の行方を注視し、安定的な資源確保戦略を練る必要がある。
北極圏は気候変動の最前線でもある。氷河の融解が新たな航路や資源開発の機会を生む一方で、先住民の生活や地球環境への影響は計り知れない。経済的利益と環境保護のバランスをどう取るかは、人類共通の課題として問われている。
この事態が教えるのは、国際秩序が決して不変ではないという現実だ。戦後70年以上維持されてきたルールベースの国際システムが揺らぐ今、私たちは新しい時代の地政学を学び、変化に備える必要がある。歴史と地理、資源と環境という多面的な視点から、世界の動きを理解することが求められている。