ウミガメの悲鳴:プラスチック汚染が映す海の危機
📅 2026年1月3日(土) 16時02分
✏️ 編集部
🏷️ ウミガメとプラスチック汚染
最近、日本の海岸で保護されたウミガメの体内から、国内外のさまざまな国由来のプラスチックごみが大量に発見されたという報道がありました。このニュースは、海洋プラスチック汚染が一国の問題ではなく、国境を越えた地球規模の環境危機であることを改めて私たちに突きつけています。
ウミガメは約1億年以上も地球上に存在してきた古代からの生き物ですが、今、人間が作り出したプラスチックによって存亡の危機に瀕しています。ウミガメはクラゲを主食としますが、海中を漂うビニール袋をクラゲと間違えて飲み込んでしまうのです。消化できないプラスチックは体内に蓄積し、栄養失調や内臓損傷を引き起こします。
世界の海には推定1億5000万トンものプラスチックごみが存在し、毎年約800万トンが新たに流入していると言われています。これらのプラスチックは海流に乗って世界中を巡り、遠く離れた国で捨てられたごみが日本の海岸に漂着することも珍しくありません。ウミガメの体内から見つかった外国由来のプラスチックは、まさにこの国際的な汚染の証拠なのです。
プラスチック汚染はウミガメだけの問題ではありません。海鳥、魚類、海洋哺乳類など、多くの生物がプラスチックを誤食したり、漁網に絡まったりして命を落としています。さらに深刻なのは、マイクロプラスチックが食物連鎖を通じて最終的に人間の体内にも入り込んでいることです。
この問題に対して、私たち一人ひとりができることがあります。使い捨てプラスチックの使用を減らし、マイボトルやエコバッグを活用すること、ごみを適切に分別し海に流出させないこと、そして海岸清掃活動に参加することなどです。小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化を生み出します。
企業や政府レベルでも、生分解性プラスチックの開発、プラスチック製品の規制、循環型経済への移行など、さまざまな取り組みが進められています。2022年には国連で「プラスチック汚染を終わらせる」ための国際条約制定に向けた交渉が始まりました。国際協力なくしては、この問題は解決できません。
ウミガメが安心して泳げる海を取り戻すことは、結局のところ私たち人間自身の未来を守ることでもあります。彼らの体内から見つかったプラスチックは、私たちへの警告のメッセージです。今こそ、便利さと引き換えに失ってきたものの大きさに気づき、行動を起こすときなのです。