箱根駅伝・青学3連覇に見る「山の神」と大学スポーツの真価
📅 2026年1月2日(金) 14時01分
✏️ 編集部
🏷️ 箱根駅伝、青学3年連続往路V
2026年箱根駅伝の往路で青山学院大学が3年連続優勝を飾った。最終5区の山登りで黒田朝日選手が4人抜きの劇的な逆転劇を演じ、早稲田大、中央大を抑えてトップでゴールテープを切った。
箱根駅伝は単なる大学スポーツの枠を超え、正月の風物詩として日本人の心に深く刻まれている。沿道に50万人以上が集まり、テレビ視聴率は30%を超えることもある。これほどまでに国民的行事となったのは、若者たちの純粋な挑戦の姿が見る者の心を打つからだろう。
5区山登りは「山の神」という言葉が生まれるほど、箱根駅伝のドラマを象徴する区間である。標高差800メートル超の難コースで、選手たちは極限まで心身を追い込む。黒田選手の4人抜きは、技術や体力だけでなく、チームへの責任感と不屈の精神が生んだ奇跡だった。
大学スポーツは勝利だけが目的ではない。厳しい練習を通じて自己を鍛え、仲間と協力し、目標に向かって努力する過程そのものに教育的価値がある。箱根駅伝の選手たちは学業との両立に苦しみながらも、人間として大きく成長していく。
青山学院大学の強さの秘密は、原晋監督が提唱する「ワクワク大作戦」に象徴される独自の指導哲学にある。厳しさの中にも楽しさを見出し、選手の自主性を尊重する手法は、従来の体育会系文化に一石を投じた。これは現代の組織マネジメントにも通じる示唆に富む。
駅伝という競技は個人の力と組織の力が融合する稀有なスポーツである。一人の失速がチーム全体に影響する一方、仲間を信じてタスキを繋ぐ姿は、社会における協働の本質を映し出す。勝利の喜びも敗北の悔しさも、すべてチームで分かち合う経験は何物にも代えがたい。
箱根駅伝が映し出すのは、限界に挑む若者たちの姿と、それを支える指導者や仲間の絆である。スポーツを通じて学ぶ忍耐力、協調性、目標達成への執念は、卒業後の人生においても大きな財産となる。正月のテレビ画面に映る彼らの走る姿は、私たちに挑戦し続けることの尊さを教えてくれる。